ぶらり京都 第43号

兼好法師の住むという・・・吉田辺りはまた格別!
9月11日のお月見を堪能されたでしょうか?
夜空を見上げると、十五夜の満月がとてもきれいだったが、夕方雨がぱらついたせいか、月は姿を隠してしまい、神泉苑の池に浮かぶ船にゆられてお月見団子とお抹茶をいただいた時には、月明かりすらない。月も見えずに真っ暗な船上でのお茶会は風流があると期待していただけに、とても残念だった。その代わり、舞台で見る舞楽は素晴らしかった。琴、尺八、女人舞楽を鑑賞した。とりわけ、鷺森神社雅楽保存会の女人舞楽は珍しく、きらびやかな舞と衣装に見とれた。舞台にはお月見団子と生けられたすすき、りんどう、おにゆり、おみなえし、葉ケイトウは豪華であった。主役の月が出ていたらなあ・・・

動画あり

神泉苑の観月会に行くというと、与謝蕪村の「蕪村俳句集」から観月会に関する句を一つ紹介してくれた恩師がいる。
      名月や 神泉苑の 魚(うを)踊る
「名月の日に踊る魚を目撃できたら良いですね」とのことだった。名月はなかったが、舞台鑑賞をしている間に、池の端で魚がはねていた。きっと神泉苑に住む鯉なのだろう。

ところで、船中での茶会はさほど風流だとは感じられなかったのだが、橋の上から船中での茶会を見たら、優雅に龍頭船が池狭しと、方向を変えてゆっくりと動いているではないか。船に乗っていると、そんなに動いているようには思えなかった。ゆったりと動いている船を見てから乗船していたら、感じ方も違ったかもしれない。
大覚寺でも、1200年前に嵯峨天皇が月を愛でながらお船遊びを行ったのが始まりだという「観月の夕べ」(*) がある。神泉苑の池よりもずっと広い大沢池に浮かぶ龍頭船で眺める水面の月は幻想的だろうなと、月の見える十五夜を思う。

さて、先日、吉田山界隈を散策した。吉田山といえば、「兼好法師の住むという」のフレーズを思い出す。それと同時に、京大のエリアなので京大と切り離しては語れない。
「銀閣寺道」でバスを降りた。バスの系統によっては百万遍から東大路通りを下がるものもある。その場合は「東一条」で降りるのがよい。
銀閣寺道のバス停から、神楽岡通りを下がりながら左手に大文字の「大」の字を臨む。私の目的としているのは「吉田山荘」(**) だ。そこは元東伏見宮別邸、風雅な山荘で極上の時間を過ごしたいなら、その料理旅館に泊まることではないかと思う。昼懐石は泊まらなくてもいただける。私はステンドグラスのはめ込まれた窓のあるティーサロンで抹茶か珈琲をいただきたかったのだが、ティーサロンは11時半からしか開いていない。まだ朝の10時だったので、場所の下見ということにしておこう。こういうプライベートの場所でも観月会のイベントが開かれていた。私の好きなバイオリニスト・古澤巌のお月見コンサートがあった。心動かされたが、今年は神泉苑の雅な観月会に決めたのだ。

そして、吉田山荘に行くまでに、もう一つの隠れ家的な場所があった。行ったことはないが、是非とも訪れたいと思っているのが「茂庵」(***) という大正時代の建物を利用した静かなカフェで、周囲は緑に囲まれているという。地図を見ていてもわかりにくく、吉田山の山中にある。ちょうど神楽岡通りを歩いていたら、「茂庵」への入り口(といっても階段があり、そこを上がってからずいぶん歩かなければならない)を見つけた。こちらも11時半からなので、今回は入り口を発見しただけで満足した。

吉田山荘の前を通り過ぎて、すぐの道の左手をみれば、「真如堂」(****) の赤門が見えた。この辺りだと検討はつけていたが、すぐに見つかるとうれしい。地図を片手に歩かないので、勘に頼るしかない。わからないときは人に聞く。これがまた楽しい。真如堂といえば、紅葉もきれいだが、萩は有名だ。そろそろ萩が咲いているのではと、赤門をくぐって境内に入る。萩はちらほらで、ピンクや白の芙蓉の花が咲いていた。赤い花をつけた木、百日紅はひときわ目立つ。久しぶりに境内に入ったが、緑が多く、静かなところが何とも言えずいい感じだ。

真如堂を出て、吉田山にある吉田神社(*****) に参道からではなく、裏の方から入ることになる。真如堂付近には寺が多く、寺の庭先や、民家の玄関に、芙蓉の花が咲きほこっている。マンションの多い都心には見られない光景だ。
吉田神社のある西の方の坂を登る。ちょっと寂れた道で人がいないが、その吉田山の中腹には全国の神社3200もの神を合祀する重要文化財の「大元宮」があった。一度参拝すれば全国の神に参拝したのと同じ御利益があるというすごいパワーをもっているというのを後で知る。二またに分かれており、山道は少しおっかないので、階段の道を選択したら、イタリアの狭い急な階段の迷路のような住宅地があった。そこから京大や東大路通りが一望できる。急な斜面に家が建ち並び、この辺りに住むのは私ですら大変そうだと思のだから、お年寄りの人はどのように生活しているのだろう・・・

ようやく東一条通りの吉田神社への参道のところに出たが、分岐路で参道と違う方を選んだことに気が付いた。結局吉田神社の本殿には詣れずじまいだったが、強力な「大元宮」に詣っているので、良しとした。
吉田神社は京大のすぐ東の吉田山の西側に本殿と舞殿を構えており、また同じ吉田山にはお菓子や料理を祭ったユニークな神社もある。私は行きそびれたが、さざれ石などもあり、みどころはたっぷりなので、一度立ち寄ってみてはいかが?
節分には鬼が出てくるので有名な吉田神社です。そのときに、吉田神社に詣ろうと思うが、それは大元宮であるはずなんだけど・・・
 

●5月8日 山蔭社例祭
吉田神社境内にある料理の神様「山陰社」の例祭。神前の広場で古式ゆかしい生間流包丁が奉納される。
 
●11月11日 菓祖神社大祭
吉田神社の摂社の一つ、菓祖神社では、お菓子の神様の祭典が行われ、全国より菓子業者が集まり隆昌発展を祈願する。

午前中は吉田界隈を歩き回ったが、「あがり」は京大の構内に5月にできたばかりの「カフェ・カンフォーラ」(******) 。そこで打ち合わせを兼ねランチ。2時以降はアルコールの飲めるイタリアン・レストランで、値段は安いが、やはり味は生協並。私たちも一度行ってみようと、部外者なのにそこが打ち合わせ場所となった。一般の客も多いらしい。正門から入ってすぐ左手のところにある。広々として、打ち合わせにはいい。コーヒーなどはちょっとイケルかもしれない。
京大の時計台を眺めながらアカデミックな気分を味わいたいなら、一度京大に足を踏み入れてみては?

9月19日(金)は年に2回ある平安神宮神苑の無料公開日。池泉回遊式庭園には見頃の萩やフジバカマなどの秋の七草が咲いている。また、朝から出かけるつもりだ!



(*) 大覚寺観月会
http://www.daikakuji.or.jp/gyoji/kangetu.htm

(**) 吉田山荘
http://www.diana.dti.ne.jp/~yoshidas/

(***) 茂庵
http://www.mo-an.com/

(****) 真如堂
http://www.photohighway.co.jp/AlbumTop.asp?key=575792&un=59962&m=0

(*****) 吉田神社(吉田神社を選択し、クリック)
http://ucgi.genbu.net/cgi-bin/mapindex.cgi?index=1&target=place
吉田兼好(吉田神社との関係)
http://www.mantyo.com/tureduregusa.htm

(******) カフェレストラン・カンフォーラ
http://www.s-coop.net/camphora/



▼気になるお店
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◇ マエダコーヒー
明倫小学校跡地を京都芸術センターとして再利用した一角にあるカフェ。
「抹茶とあずきのカフェラテ」というのが350円。ホットもアイスも同じ値段で、生クリームと小豆が控え目な甘さ、抹茶とコーヒーが微妙な関係でおいしい。色もしっとりと秋の雰囲気。ボサノバがかかっていてイイ感じ。メニューの栗とあずきとコーヒーソフトクリームの入った「カプチーノ・パフェ」も残暑厳しい秋の初めにはおいしそう。これは700円
http://www.kac.or.jp/center/floorplan/cafe.html




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